遺言・後見・死後事務委任 大阪の終活専門事務所 

9:00~18:00<平日>メール相談は24時間受付


9:00~18:00<平日>メール相談は24時間受付


元気に見えても”契約”できない場合があります


こんにちは、相続・終活・家族信託サポート有馬事務所です。

ご相談の中で、「親はまだ元気だから大丈夫」「今は特に困っていない」というお話を伺うことがあります。確かに、日常生活に支障がなければ、契約や手続きができなくなる状況は、なかなか想像しにくいものです。

しかし、法律の世界では「元気に見えること」と「契約ができること」は必ずしも同じではありません。法律上、事理弁識能力が不十分と判断されると、本人が銀行預金を引き出したり、不動産を売却したり、施設や病院と契約を結んだりすることができなくなります。

今回は、そうした状態になってしまった場合に何が起こるのか、そして、そうならないためにどのような備えができるのかについてお話しします。

日本の法律では、判断能力が低下すると、預金の引き出しや病院との契約などの法律行為ができなくなります。そして問題なのは、こうした判断能力の低下が、ある日突然訪れるという点です。事故や病気など、何かのきっかけで認知機能が急激に低下した場合、「昨日までは問題なかったのに、今日は契約できない」という状況が現実に起こり得ます。

そのような場合でも、家族が代わりに契約をすればよい、というわけにはいきません。法律上は家庭裁判所に申立てを行い、後見人が選任されるまで、原則として契約行為はストップします。資金が必要でも預金が動かせない、不動産を売却したくても話を進められない、といった事態に直面することになります。

後見人が選任されると、契約や財産管理は後見人の判断のもとで行われます。つまり、本人の意思や家族の判断だけで自由に動かすことができなくなるということです。さらに、多くの方が驚かれるのが、後見人は原則として第三者が選任されるという点です。実務上も、弁護士や司法書士などの専門職が後見人になるケースが大半を占めています。そうなると、スピード感や柔軟性を求められる場面での対応は、事実上難しくなります。一度後見が開始されると、原則としてその状態は、認知症の症状が回復するか、その方が亡くなるまで続くことになります。

こうした事態を避けるために、お勧めしたいのが任意後見契約です。

任意後見契約は、判断能力がしっかりしているうちに、将来後見が必要になった場合の支援体制をあらかじめ決めておく制度です。誰に後見人になってもらうのかを自分で選ぶことができるため、家族を後見人として指定することも可能です。

任意後見で家族が後見人になれば、裁判所主導で第三者に任せるのではなく、家族の判断で財産の管理や処分、各種契約を進めることができます。不動産を売却して資金を確保する必要がある場面や、施設入所や医療に関する契約を急ぐ場面でも、状況に応じた柔軟な判断を、スピード感をもって行うことが可能になります。これは、法定後見との大きな違いの一つです。

「まだ元気だから」「今は困っていない」と思える時期こそが、実は最も多くの選択肢を持てるタイミングです。契約ができなくなってから慌てるのではなく、元気なうちに備えておくことが、将来の安心につながります。


PAGE TOP