みなさんこんにちは。
相続・終活・家族信託サポート有馬事務所です。
お客さまの中には「遺言書って特別なお金持ちが作るもの」と思っている方が少なからずいらっしゃいます。しかし、実際には、家族がいる方なら誰にでも関係のある話です。財産の多い少ないにかかわらず、人が亡くなれば必ず相続が発生します。そして、そのとき一番問題になるのが“誰に何を残したいのか”という故人の意思が分からないことです。本年最後はそんな遺言書についてお話したいと思います。
遺言書の良い点は、その意思をはっきりと形に残せる事です。法律的に有効に作られた遺言書は、相続人全員が反対しない限り有効とされています。つまり、たとえ内容に不満を持つ人がいても、全員が一致して「この遺言を無効にしよう」と合意しない限り、原則として遺言の内容が実現されるということです。
この仕組みをうまく活用すれば、いわゆる「不均衡な相続」を実現することができます。
たとえば、長年介護をしてくれた子どもに少し多めに財産を残したい、家業を継ぐ子どもに事業用の資産を集中させたい、離れて暮らす家族には現金で対応したい──そうした“思い”を法律的に反映できるのが遺言書なのです。
人それぞれの事情や感情を考えれば、均等に分けることが必ずしも「公平」ではありません。遺言書があれば、そうした事情を踏まえた形で、自分の意志を確実に残すことができます。
さらに、遺言書は“争族”を防ぐためにも非常に有効です。
親が亡くなったあと、兄弟姉妹の間で「父は自分に多く残したかったはずだ」「母はそんなことを言っていなかった」といったすれ違いから、関係がこじれてしまうケースは少なくありません。
しかし、きちんとした遺言書があれば、「本人の意思がこうだった」という確かな形が残ります。
その一枚が、家族の絆を守るきっかけになるのです。
ただし、ここで大切なのは──遺言書は“正しく作られてこそ”有効になるということ。
形式や内容に不備があると、せっかく書いても法律上無効と判断されたり、内容をめぐって別のトラブルを招いたりすることがあります。たとえば、署名・押印・日付の欠落、曖昧な表現、特定の人の取り分が不明確な記載などが原因で、家族の間に混乱を生むことも実際に起きています。
有効な遺言書であれば、相続人全員が反対しない限り効力が守られます。だからこそ一歩間違えば逆の効果をもたらしてしまう危険性も考えられます。作成時には専門家に一度見てもらうことが重要です。
法律的な形式の確認だけでなく、言葉の選び方や家族への伝わり方についても、専門家が客観的にアドバイスしてくれます。そのひと手間が、後々の安心につながります。
遺言書は、財産を分けるための書類ではなく、“家族への思いやりを形にしたメッセージ”です。
今のうちにしっかり準備しておくことで、残される家族の負担や不安を減らすことができます。